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愛に満ちた脱毛は、肌と環境への負担の少ない脱毛。「SUGARISTA TOKYO」に行ってみた

ゼロ・ウェイストや量り売り体験など、サステナブルな取り組みを行うお店を訪れ、エシカルなライフスタイルへの一歩を踏み出すためのヒントを提供する本連載。第2回目は「SUGARISTA TOKYO」をレポート。実際にどのようなシュガーリング脱毛体験ができるのか、その様子をわかりやすく紹介する。

今回、トレンドリサーチャーの白鳥麻衣さんと一緒に訪れたのは、表参道に店舗を構えるオーガニックシュガーリング脱毛店「SUGARISTA TOKYO」。シュガーリング脱毛とは、ほんのり温かいシュガーペーストを肌に塗り、古い角質と毛を一緒に剥がしていく脱毛トリートメントのこと。無農薬で育てられたレモンと砂糖、水のみを原材料とするプラントベースのシュガーペーストは、オーガニックで環境に優しく、肌のトリートメント効果もあるのが特徴だ。実際に、店舗ではどのような体験ができるのか、愛に満ちた店内の様子をお届けする。 

肌も心も優しさに包まれる、オーガニックの脱毛トリートメント

シュガーリング脱毛は、古代エジプト時代から行われてきたと言われており、今やヨーロッパやアメリカ、中南米などさまざまな国や地域で愛され続けている、私たちの身体を健やかに整える脱毛方法だ。SUGARISTA TOKYOでは、顔から脇、VIO、足先まで、全身に対応したメニューを体験することができる。

実際に食べられる原料で作られているシュガーペーストは、水飴のような柔らかさで透明度が高いのが特徴。

SUGARISTA TOKYOで取り扱う「TAMARA’S SUGAR」のシュガーリングペーストは、石油由来の合成成分や着色料、保存料、防腐剤、香料といったネガティブな要素は一切含まれていない。また、使用している原材料や成分、製品の開発から製造、流通に至るまで、すべての工程において動物実験が行われていないことを示す「リーピングバニー認証」や、全成分の95%以上が有機栽培からなる原材料で作られた製品のみに与えられる「USDAオーガニック認証」を取得している。こうした材料を使用している点から、より多くの人が安心して施術を受けることができるだろう。

お店の扉を開けると、美しい季節の花々が出迎えてくれる。これは、お花が入店したゲストに顔を向け、温かく出迎えられるようにという気遣いからなのだそう。

白を基調とした空間に、オーナーのひかりさんが世界中を旅して見つけてきたというインテリアや雑貨が並び、訪れた人がまるで友人の家に来たかのような居心地の良い雰囲気が広がっている。大きなソファに腰掛けると、まず温かいハーブティーを差し出してくれる。そして、カウンセリングシートをもとに、シュガリスタ(Sugarting Masterの略称)が丁寧にカウンセリングを行う。

「カウンセリングでは、お客様の状態や気になる部分、不安点などをヒアリングします。シュガーリング脱毛は肌に優しい脱毛法ですが、施術後に皮膚の赤みなどのヒスタミン反応が起こる場合があるので、注意点を含めて説明します。疲れている時や生理前、生理中だと肌が敏感になっていたり、いつもより痛みを感じることもあります。ですから、『私は絶対に出ないから大丈夫』、『肌が弱いから絶対に出る』と一概には言えません。お客様の状態をヒアリングしながら、内容を丁寧に説明できるよう心がけています」(スタッフ)

メニューの話から入るのではなく、世間話や最近の出来事から始まる会話は、とても心地よいもの。カウンセリング時には、思わぬきっかけからお客様とスタッフ同士で話が盛り上がることもあるのだとか。

SUGARISTA TOKYOには制服がなく、スタッフが私服で対応することも特徴だ。アットホームな雰囲気の中で会話も自然に進み、リラックスした状態でカウンセリングを受けることができる。

「初めて施術を受ける前はやっぱり不安ですよね。でもここでは、『今日はメニューどうしますか?』という話からではなく、世間話をしながらリラックスさせてくれるのが本当に素敵ですね。」(麻衣さん)

温もりを感じる、愛情のこもった丁寧な施術

シュガーリングの特徴は、すべての工程をオールハンドで行うこと。さらに、シュガーペーストによる角質除去効果もあるため、施術後は艶やかでみずみずしく、柔らかい素肌に。今回は、手と肘のメニューを体験した。

「まずはお肌をクレンジングします。その後、シュガーペーストと馴染みがよくなるように、タピオカと葛(くず)とコーンスターチで作られたお粉を振っていきます」(スタッフ)

「しっかりと下地を整えてから、ほんのり温かいペーストを丸めたシュガーボールを肌に塗布して、古い角質と毛を一緒に剥がしていきます。」(スタッフ)

シュガーリングは、難易度が高い職人技。お客様と施術者の体温や毛質、長さなどを細かく観察しながら、手の感覚のみで毛穴の溝の状態を把握し、手で何度もシュガーペーストを溶かしながら調整していく。

「毛だけでなく、古い角質も一緒に取れるので、お肌のケアにもなるところがシュガーリングの魅力ですね。不思議なのですが、施術後には『心のモヤモヤも取れてスッキリしました』など、外側だけでなく内側の不要なものも一緒に取り除かれたような感覚になってくださるお客様が多いんです。なので、ヒーリングのような感覚で来店される方もたくさんいらっしゃいますね」(スタッフ)

「すごく心地のいい温かさ。まるで、誰かが手を握ってくれているかのような感覚です」(麻衣さん)

「来てくださる方々の、小さな気持ちの変化をできるだけキャッチして、安心して温かさを感じられるような場所作りをしていきたいと思っています」(スタッフ)

シュガーリングは、毛と古い角質が瞬時になくなるだけでなく、継続することでしっかりとした減毛効果を感じることができる。そして、施術後の肌はふわふわ、つるつるに。シュガーリングならではの、触り心地の良いなめらかな肌触りに感動し、虜になる人も多いという。

また、シュガーリングは肌がデリケートなためにこれまで脱毛を諦めていた人や、アトピー体質の人、タトゥーが入っていてレーザー脱毛が難しい人などでも施術が可能(※症状によってはご相談させていただくこともあります)。このように、多くの人々に脱毛の選択肢を提供できる点も、シュガーリング脱毛の大きな魅力だ。

「施術後は、植物由来のプロダクトで丁寧に保湿を行います。全てのメニューの終わりにヘッドマッサージがついているので、最後まで心地よい時間をお過ごしいただけると思います」(スタッフ)

オーガニックシュガーリングは、肌と地球にやさしい脱毛法

SUGARISTA TOKYOでは、使い捨てのペーパーシーツではなく、オーガニックコットンのシーツを使用している。この取り組みには、お客様が裸でシーツの中で寝転がった時に、温もりや心地よさを感じてもらいたいという思いが込められている。

さらに、シュガーリングは一般的なワックス脱毛と比べ、剥がす際の大量のペーパーや木べらが不要なことに加え、コンポスト可能な使い捨てグローブを使用している。シュガーリングペーストのほか、施術で使用するものについては、日本へ発送する際の箱やクッション材、プロダクト容器のほとんどがリサイクルされているものを使用している。このように、お客様からは見えない部分においても、可能な限り環境に優しい取り組みを行っている。また、手術痕など傷口がしっかりと塞がっている状態や、メンタルヘルスで他での脱毛を控えていた方にもカウンセリングを行い、可能な範囲で施術を進める。マタニティー期間のシュガーリングは安定期〜場合によっては38週まで可能となるため、幅広い人がシュガーリングによるナチュラルな脱毛を楽しむことができる。

店内では再生可能エネルギーを使用するなど、人にも環境にも心地よい選択を自然に取り入れている。現在、ヨーロッパやアメリカ、中南米などさまざまな国や地域でシュガーリングの需要が増えているのは、環境問題など、こうした一つひとつの選択が現代に心地良くフィットしているからかもしれない。

ウッドのような心地よい香りが漂う、施術台とは思えないほどの可愛らしい空間

施術後は、ハーブティーと季節に合わせたお菓子でリラックスタイムを。

「施術後はすぐに話しかけるのではなく、お客様が一人で一息つける時間を大切にしています。」(スタッフ)

「とても心地よい施術を受けた後に、美味しいハーブティーとお菓子で締めくくれるなんて、本当に幸せ。心身ともに最高にリラックスできました。これからもセラピーに行くような感覚で、気軽に訪れたいと思います」(麻衣さん)

「SUGARISTA TOKYO」は、シュガーリングによる脱毛や肌のトリートメントはもちろん、丁寧な施術や会話によって心身を癒してくれるパワースポットのような空間。自分自身を大切にケアすることや、なめらかな素肌を楽しむこと、自分らしく快適に時間を過ごすこと。これらの大切さを感じさせてくれるシュガーリング脱毛は、多くの人々にとって心のケアにもなっている。アットホームな空気が流れるSUGARISTA TOKYOで、至福のジュガーリング脱毛をぜひ体験してみてほしい。

店舗情報
SUGARISTA TOKYO Omotesando
営業時間:9:00〜20:00(最終受付 18:00)
定休日:なし ※work shop, academy開催日などは休み
住所:〒 107-0062 東京都港区南青山3-8-9 Room 青山201

藤井由香里

ライター/編集者

京都出身、東京在住。環境問題や日本の文化、ものづくりの背景に興味関心を持つ。2022年に独立し、フリーランスのライター・編集者として活動中。Webや紙など媒体を問わず、幅広い分野で取材・執筆・編集を行う。 https://www.instagram.com/yukaringram/

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